息のつづくかぎりハミングする。息つぎをするときだけ音色をかえていい。そんな単純な発音の規則をつくり、それを大勢の人で一斉にコーラスする。こ の作品はビデオプール現会長のジョン(John Coutanche)と前理事長のヴァル(Val Klassen)の共同実験作品。
コーラスで作られる音環境は、折り重なるハミングの振動がまるで地震の前触れかのようにつづく。そして、聞く側の気持ちをつかんだまま、そのまま終 わる。『2001年宇宙の旅』の猿人が道具を発見するシーン、その背後に流れるコーラスにその音はよく似ている。ある法則にしたがい音を奏でることはジョ ン・ケージや武満徹の音楽などが有名だ。けれど同時代もしくは少し遅れてでも、ある手法が作家の実験や経験を通じて発見されることがあるんだな。そんなこ とをジョンとヴァルという先輩たちの作品を観て聞いて意見を交わしつつ考えた。
